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1、 よく出てくる割に理解しずらい「単位」の復習
1、1 熱量とその周辺
(イ)「仕事」[J]: 1ジュール[J]の仕事とは、重さ(=力)1ニュートン[N]の物体を1[m]
だけ動かしたときの仕事
「力」[N]: 1ニュートン[N]の力(=重さ)とは、質量1[kg]の物体に1[m/sec2]の
加速度が作用したときの力(=重量)
[例]: 筆者のからだは質量60[kg]である。従って、体重は60[kgf]である。これは地球の重力の加速度は9.8[m/sec2]であるから、地球上では9.8[kg]×60[m/sec2]=588[kg m/sec2]=588[N](約600[N])の体重であることを表す。宇宙空間では、質量は60[kg]のままであるが、重力の加速度は0[m/sec2]であるから、体重は0[kg m/sec2]=0[N]になり、からだは空中に浮かぶ。
(ロ)「仕事率」[W]: 1ワット[W]の仕事率とは、単位時間1[sec]の間にできる仕事[J]
1 [W]=1 [J/sec] (2)
(ハ)熱の仕事当量----ジュール(Jamws Prescott Joules 1818〜1889)は、水、鯨油、水銀など比熱の異なる物質について実験し、物質に関係のない普遍的な定数として、熱の仕事当量を決めた(1843)。[1]
1 [kcal]=4.18605[kJ] (3)
15.5℃まで温度を1 degC上げるのに必要な熱量---15℃カロリー
式(3)より、 1[kW h]=3600[kJ]=(3600/4.18605) [kcal]=860[kcal] (4)
(ニ)比熱 水(15℃) c=[4.18605 kJ/kg・K]
乾き空気 cp=[1.006 kJ/kg・K]
この装置は、ロンドン科学博物館に展示
されている。[2]
図1.2 熱伝導率、熱通過率説明図[3]
(ホ)熱伝導率
[J/m degC sec],[W/m degC]
熱伝達率 α[J/m2 degK sec],[W/m2 degK] ・・・壁表面の熱の伝わり易さ
図1.3 熱伝達率説明図[4]
ふく射熱伝達率αr
ふく射熱の授受は本来シュテファン・ボルツマンの法則によって表されるが、温度差が小さい時は式(6)の形で近似できる。
総合熱伝達率 α=αc+αrとおけば、
熱貫流率 K[J/m2 degK sec],[W/m2 degK]
温度伝播率、または、温度拡散率 a,κ[m2/h],[ m2/sec]
面積A[m2] 垂直力 F [N]
1、2 圧力
(イ)圧力
曲げモーメント M
トルク T
(ハ)他の単位系からの換算
例‐1 17.5 [kgf/cm2]=17.5[kg]×9.8[m/sec2] ×104[1/m2]
=1.715×106 [N/m2 =Pa] =1.715 [メガパスカル M Pa]
例‐2 出頭20 m=20 m水柱 =20 mAq=20 mH2O 20m=2000cmであるから、
底辺が1cm角(1 cm2)で、高さが2000cm の水の柱の体積=2000 cm3であるから、水の
比重量 γ=1 [gf]とすると、この水柱の重量=2000 gf=2 kgf
=2 [kg] ×9.8[m/sec2] ×104[1/m2]=1.96
=1.96×105 [N/m2 =Pa]
=1.96 [M Pa]
例‐3 標準大気圧P0= 101.3[kPa]と昔習った水銀柱760 [mm]とはどのような関係にあるか?
P0=0.76 [mHg] ×13.59510[Aq/Hg]=10.3323[mAq]=10332.3[mmAq]=10332.3[kgf/m2]
=10332.3[kg/m2] ×9.80665[m/sec2]=101325[Pa]=1013.25[ヘクトパスカルh Pa]
=101.325[キロパスカル kPa]=1.01325[bar]=1013.25[mmbar]
=1 [atm、または、 ata]
1、3 送風機・ポンプ・電動機器の動力
(イ)空気動力(送風機のとき)
SI単位系 重力単位系
としたとき、 としたとき、
[1] 小暮陽三:絵でわかる熱力学、オーム社(1995) p.14
[2] 1)と同じ。
[3] 空気調和・衛生工学会編:空H調和設備の実務の知識、オーム社(1995)p.133
[4] 同上p.132